経験者が語る!|マル秘化学物質過敏症克服大百科

メニュー

11年の実践から導き出した、化学物質過敏症の
独自の治療法や身の回りの対策をご紹介!

専門医が行う化学物質過敏症の3つの治療法とは?

専門医が行う化学物質過敏症の3つの治療法とは?

化学物質過敏症の治療法はまだ確立されていない

一般的には、「化学物質過敏症の治療法はない」と言われています。
 
化学物質過敏症になってすぐの人は、この事実を知ってかなりのショックを受けるでしょう。
 
確かに、化学物質過敏症は、現時点で特効薬はなく、どんな患者さんにも必ず効くといったような、確実な治療法も確立されていません。
 
だからと言って、全く治療法がないわけではありません。
 
現に、自分に合った治療法を見つけて、化学物質にさらされてもある程度耐えられるようになった方もいらっしゃいます。
 
様々な治療法がありますが、最もよく知られている治療法は、専門医で行う治療法です。
 
残念ながら、「専門医の治療法を実践して、すごく良くなった!」という声はあまり聞いたことがありません。
 
では、専門医の治療法はやる価値がないのでしょうか?
 
私はそんなことはないと思います。
 
専門医で行っている治療法は、健康に暮らしていくために必要なことばかりです。
 
たとえ劇的に改善しなくても、健康な人でも実践した方が良い内容だと思います。
 
実際、発症初期の方や比較的症状の軽い方が、専門医の治療法を実践したところ、改善した例もあるようです。
 
これから専門医の治療法を試してみたいという方のために、実際に専門医が行っている3つの治療法と、私自身が専門医の治療法を試してみて思ったことについて書きました。

日本の専門医が行う3つの治療法とは?

日本の専門医の間では、以下の3つを基本とした治療を行っています。
 
専門医が治療を行うと言っても、医師が手術をしたり薬を処方するわけではなく、患者さん本人が日常生活を送る中で実践するというものです。
 
他の多くの病気と違って、本人の努力によるところが大きい治療法だと言えると思います。

  • ビタミンやミネラルなどの栄養を補給して化学物質を解毒する
  • 運動や入浴で脂肪や汗と一緒に化学物質を解毒する
  • 化学物質を生活環境から取り除く

3つの治療法

化学物質過敏症を治すためには、自分の体の許容量を超えて体内に取り込んでしまった化学物質を体外へ排出することが重要です。
 
体に溜まった化学物質は、栄養を補給したり運動や入浴をおこなうことによって、解毒することが可能です。
 
それと同時に、できる限り化学物質を生活環境から取り除くことによって、これ以上体に化学物質を溜めないようにすることが大事です。

ビタミン、ミネラルを補給して化学物質を解毒する

栄養

ビタミンやミネラルなどの栄養は、化学物質を解毒し体外に排出する働きがあります。
 
化学物質過敏症を発症すると、ビタミンやミネラルが解毒のために使い果たされ、足りなくなってしまいます。
 
化学物質過敏症を治すためには、足りなくなったビタミンやミネラルを補い、化学物質を解毒する必要があります。
 
解毒に効果があるのは、ビタミンA、B1、B6、B12、C、E、マグネシウム、亜鉛、銅、カルシウム、セレニウム、モリブデンなどの栄養です。
 
特にたくさんの化学物質にさらされた時には、ビタミンCが大量に必要になります。

運動や入浴で化学物質を解毒する

体内に溜まった化学物質は、脂肪や汗と一緒に体外に排出することが可能です。

運動で脂肪を減らすことによって解毒する

運動

化学物質は脂肪に溜まるので、運動で脂肪を減らすことによって体外に排出することが可能です。
 
空気のきれいなところでウォーキングやエアロビクスなどの有酸素運動を20〜30分、自分の体に無理のない範囲で行うと効果的です。
 
水泳も効果的ですが、塩素などの有害化学物質の影響があるので、化学物質過敏症の人には、あまりおすすめではありません。

入浴で汗と一緒に排出する

化学物質は汗と一緒に皮膚を通して排出されるので、入浴や低温サウナなどが有効です。

入浴

入浴

入浴は、ぬるめのお湯に長時間かけてゆっくり浸かるのがポイントです。
 
温泉は、皮膚を通じてミネラルなどの栄養の吸収が期待できるので、特に効果的です。
 
自律神経系、ホルモン系、免疫系のバランスが整い、血液の流れも良くなります。

低温サウナ

60度〜70度の低温サウナに出たり入ったりします。
 
運動を行った後に入ると解毒が促進されてさらに効果が高まります。
 
脱水症状にならないように水分補給をしながら2時間ほど繰り返します。

化学物質を生活環境から取り除く

化学物質

化学物質過敏症を治すには、これ以上体に化学物質を溜めないようにするために、化学物質を生活環境から取り除く必要があります。
 
また、化学物質の影響の少ない環境に身を置くことで、症状を起こりにくくすることが可能です。
 
体調不良の原因である化学物質から優先的に、できれば必要のない化学物質は全て取り除きましょう。
 
結果的に体が受ける化学物質の量を減らすことになるため、化学物質過敏症の治療法の中でも最も重要な治療法であるといえるでしょう。

換気で化学物質を室内から追い出す

換気

今や、シックハウスの原因となる住宅の建材だけでなく、普段私たちが当たり前のように使っているたくさんの日用品の中にも化学物質が大量に使われています。
 
そのため、室内の空気汚染は室外よりひどいといわれています。
 
室内の化学物質の量を減らすためには、換気で化学物質を追い出すことが重要になります。
 
換気で間に合わない場合や外の空気が汚染されていて換気ができない場合は、化学物質の除去が可能な空気清浄機の使用が効果的です。
 
寝ている間は化学物質の影響を受けやすいので、寝室の空気は特にきれいに保つようにします。
 
新築やリフォームを行う場合は、化学物質過敏症に理解のある業者に依頼した方が良いでしょう。

衣類は陰干しで化学物質を飛ばす

陰干し

衣類などの繊維類は化学物質を吸いやすく、残留しやすい性質があります。
 
新しく購入した服やクリーニングに出した服は、特に化学物質の影響を受けています。
 
化学物質を吸い込んだ衣類は、陰干しをおこなうことで化学物質を飛ばすことができます。
 
化学物質過敏症の方は、綿などの天然のものが合うことが多いようですが、ごくまれに合成繊維以外は受け付けないという方もいるようなので、自分に合った素材のものを選ぶようにしましょう。

加工食品に頼らず自炊する

自炊

外食やスーパーの惣菜などの加工食品にはたくさんの食品添加物が使われていることがあるので、自炊をするのが理想的です。
 
自炊をする場合、野菜に使われている農薬や肉に含まれる抗生物質の影響を受けることがあるので、無農薬野菜などを扱う自然食品店などで購入するのが望ましいです。

水道水は、塩素を飛ばしてから使う

塩素

水道水には、塩素などの化学物質が大量に含まれています。
 
水道水は、何もせずにそのまま使うと危険ですが、沸騰すれば塩素を飛ばすことが可能です。
 
水道水を飲む場合は、沸騰してから4、5分後、なべややかんのふたを取ると塩素の臭いが気にならなくなります。
 
それでもダメな場合は、浄水器を使用するか、ミネラルウォーターなどを飲むといった方法もあります。
 
お風呂は沸かした後にふたを取って塩素を飛ばすか、追い炊きの場合は炭をネットに入れて沸かすと化学物質が浄化されます。

自然素材のものを使用し、化学物質に頼らない生活を心がける

自然素材

化学物質過敏症を治すには、化学物質に頼らない生活を心がけることが重要です。
 
そのためには、食品、化粧品、洗剤などを買う時に、原材料や成分表示を確認する習慣をつけると良いと思います。
 
表示をよく確認してみると、一般的に売られている日用品に、いかにたくさんの化学物質が使われているかがよく分かると思います。
 
洗濯や掃除に使う洗剤は、合成洗剤や柔軟剤ではなく、無添加石鹸に変更しましょう。
 
消臭剤や芳香剤、漂白剤や殺虫剤などはなくても生きていけます。
 
もし必要なら、天然素材のものなら安心です。

空気のきれいなところで転地療養する

転地療養

専門医の中には、化学物質過敏症の方向けの転地療養施設の利用を進める場合もあるようです。
 
化学物質を可能な限り減らした空気の良い環境に一時的に移り住むことによって、症状の改善を目指します。
 
療養施設では、化学物質過敏症の方たちが集まり、みんなで力を合わせて一緒に生活を送ります。
 
しかし、化学物質過敏症は個人差が大きく、反応する化学物質も人によって異なるため、発症者同士のトラブルが発生することも多いようです。
 
また、転地療養により一時的に回復しても、都会の汚染された環境に戻ると再び症状が悪化し、一般社会で生活を続けるのが困難なケースが多いことが問題となっています。

治療法がそのまま予防法になる

治療法が予防法

化学物質過敏症は、予防法がそのまま治療法になるといわれています。
 
化学物質過敏症は、日常生活をどう送るかによって、発症するかどうかが決まる病気だと思います。
 
栄養をたくさんとり、入浴や運動で化学物質を解毒し、できる限り化学物質を取り込まないように気をつけていれば、かなりの確率で発症を防ぐことが可能だと思います。

私自身が専門医の治療法を試してみて思ったこと

発症当時は効果が感じられなかった

効果なし

私が化学物質過敏症になってまずはじめに試したのは専門医が行っている治療法でした。
 
残念ながら、これらの治療法を行っても、私の化学物質過敏症の症状はほとんど良くなりませんでした。
 
もちろん、身の回りから不要な化学物質を取り除いたことで、家にいる時は症状が起こりにくくなりましたが、窓を開けたり外出した時に、外から入ってくる化学物質の影響を受けた時の症状は変わりませんでした。

後になって効果が感じられるようになった

効果あり

専門医の治療法は、効果は感じられなかったものの、発症当時から今日に至るまでずっと続けてきました。
 
発症当時は効果を感じられませんでしたが、後になってやっていて良かったと思うようになりました。
 
症状が大幅に改善されてからは、これらの治療法にもそれなりに効果を感じるようになりました。
 
体が回復した結果、自然治癒力が上がり、効果が出てきたということもあると思いますが、症状が悪いうちはマイナス面ばかりが際立ち、効果を感じられなかったということもあると思います。
 
もしこれらの治療法を全くやっていなかったら、症状が悪化していたかもしれません。

化学物質の解毒には時間がかかる

解毒

そもそも、化学物質過敏症は、長い年月をかけて化学物質を体内に取り込んだ結果発症するものなので、解毒するのにもそれなりの時間がかかるものなのだと思います。
 
治療法を毎日根気良く続けるとこで、自分でも気づかないくらい少しずつ、確実に解毒されていくものだと思います。

専門医の治療法はリスクが少ない

リスクが少ない

本やネットで調べると、化学物質過敏症に効果があると言われている治療法が色々出てくると思います。
 
私自身、化学物質過敏症に効果がありそうなたくさんの治療法を試しましたが、中には金銭的な負担を強いられるものや、リスクを伴うものもあり、現実的に実践が困難なものも多いと感じています。
 
そんな中で、専門医の行っている栄養の摂取と運動、入浴などは何よりお金がかからないですし、一般的に良く知られている健康法とほぼ同等なので、体に良いことはあっても害はないと思います。
 
即効性は感じられない一方で、新たに入ってくる化学物質の量を減らし、体内の化学物質の解毒を促進するので、長い目で見れば効果のある治療法だと言うこともできると思います。
 
そういった意味で、専門医の治療法を試してみる価値は十分にあると思います。

参考文献:

  • ・石川 哲(著) 宮田 幹夫(著). あなたも化学物質過敏症?―暮らしにひそむ環境汚染 (健康双書). 農山漁村文化協会. 1993. 195p.
  • ・石川 哲(著) 宮田 幹夫(著). 化学物質過敏症―ここまできた診断・治療・予防法 (生命と環境21). かもがわ出版. 1999. 169p
  • ・石川 哲(著). 化学物質過敏症ってどんな病気―からだから化学物質「農薬・食品添加物」を除去する健康回復法. 合同出版. 1993. 138p.
  • ・宮田 幹夫(著). 化学物質過敏症―忍び寄る現代病の早期発見と治療. 保健同人社 . 2001. 71p.
  • ・加藤 やすこ(著) 出村守(監修). 電磁波・化学物質過敏症対策―克服するためのアドバイス (プロブレムQ&A). 緑風出版 . 2004. 185p
  • ・能登 春男(著) 能登 あきこ(著). 明日なき汚染 環境ホルモンとダイオキシンの家―シックハウスがまねく化学物質過敏症とキレる子どもたち. 集英社 . 1999. 245p
  • ・宮田 秀明(著). 体内複合汚染―家族の安全と健康、どうすれば守れるの?. 朝日ソノラマ . 2000. 171p
  • ・化学物質過敏症支援センター.http://www.cssc.jp.(2018-12-23).
  • ・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』.https://ja.wikipedia.org/wiki/化学物質過敏症(2018-12-23).

関連する記事

化学物質過敏症とは?
化学物質過敏症・電磁波過敏症ブログ
ページトップへ
Copyright© 2019 cs-matome All Rights Reserved.